「未来へと歩き出した笙子ちゃんと蔦子さん」
ごきげんよう、皆さま
今日のニュースは「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050605-00000000-san-soci&kz=soci」のHP通りニートの増加が大きな社会問題となっていますが、一つの原因に「ネット依存」も含まれている可能性があります。
(私も「ネット」ばかりやっていて調子を狂っていますので・・・ 「インターネット」に夢中になりすぎて「中毒」を起こしているのではとも感じられます)
では、「マリア様がみてる」です。
- ようこそ茶話会へ
5(P.136〜154)
「写真立て、どうしましょう」
「バカ正直に、祐巳さんに持っていかないでよ。それは笙子ちゃんにあげたんだから」 「でも、だって・・・・・・」
この写真立ては、祐巳さまと関係あるのではないのか。だが思い返してみれば、祐巳さまの私物ではない、と聞いた気もする。
「プレゼントだって言ったでしょ? 写真を渡すのが遅くなったお詫びを兼ねて。よかったら、写真立てごと写真をもらってちょうだい」
「いいんですか?」
「もちろん。笙子ちゃんへのお土産に、私が買ってきた物なんだから」
「うれしい・・・・・・!」
素敵な写真立てだから、うれしい。
でも、もっとうれしいのは、蔦子さまが遠くイタリアの地を旅していた時、一瞬でも自分のことを思い出してくれたということ。
読めば読むほど蔦子さんの魅力が深まっていくといいますか、今巻は「由乃さんの妹選び」の進展の他にも、本当に蔦子さんと笙子ちゃんの素敵なやり取りが待っていたなんて・・・ このお二人はつき合いとか長い訳でもないのに、傍から見ていて「姉妹」な感じがしますね。
(個人的な意見ですが、この二人が「姉妹」に結ばれて欲しいと願っていますが、もう「時間の問題」といっても過言ではないと思いますね)
蔦子さまは、意味ありげに笑った。
「実は、笙子ちゃんの写真はまだあるんだな。私ね、学園祭とか展示会とか、時には『リリアンかわら版』紙上の場合もあるけれど、発表する場合は被写体である本人の許可をもらうことにしているの。そこでこれ」
差し出されたのは、写真屋さんのくれる例のフォトアルバム。表紙をめくれば、出るわ出るわ。アップから全身まで。そのすべてが、笙子のスナップ写真だった。
桜の花びらの絨毯を、踏んで歩く笙子。
傘をさす瞬間の笙子。
スポーツタオルをターバンのように頭に巻いてクラスメイトとふざけ合う、プール帰りの笙子。
体育祭で棒を引っ張る笙子。フォークダンスを踊る笙子。
学園祭で、クラスの呼び込みをしている笙子。『とりかえばや物語』を見終わって、ちょっと放心状態の笙子。
いつの間に、こんなにたくさん―。
たっくさ〜んの笙子ちゃんがいますね!! 蔦子さんのカメラ技術は小説内だけではもったいない気がしますね。
(この小説は「カメラマン」の方が読まれても感情移入出来るんでしょうね・・・ なぜ、「マリみて」という小説が幅広〜いファン層を掴んでいるのが、だんだんとわかって来ました)
まあ、これらは全部「隠し撮り」で写した写真みたいですが、本人の許可なしで無断に発表しないというところが、彼女のポリシーでしょうから、許せる範囲ですね。
(「部外者の男性だったら・・・」と小説内でもありますが)
笙子は、蔦子さまの腕にしがみついて笑った。
蔦子さまの写真が好きだ。
蔦子さまが好きだ。
薔薇の館で生徒会の仕事をしなくても、輝くことはいくらだってできる。
胸に抱えた、アルバムの中にいるたくさんの自分。蔦子さまが撮ってくれた一人一人の自分が、それを証明しているのだった。
これで笙子ちゃんの居場所は出来ましたが、これらは蔦子さんのおかげであり、祐巳ちゃんのお節介から始まって、こんなにも笙子ちゃんは輝ける女の子になっていけて私もうれしい限りです。
「人間って一人では生きていけない」って本当ですね!! と同時に漢文『塞翁が馬』*1のように前向きに生きていたら、笙子ちゃんみたく輝ける人間と変身出来るかもしれませんね・・・
蔦子さまは、祐巳さまに会うなりこう言った。
「祐巳さんなんかにお節介されるとは、私も焼きが回ったものだわ」
「あら、何のこと?」
笑いながら、向こうに行ってしまう祐巳さま。
「まったく、もう」
お節介は、時にしくじることもあるだろうけれど。結果は別にして、「お節介せずにはいられないという」友の気持ちというのは、かなりうれしいものらしい。
―と、蔦子さまの顔を見ていて、笙子はそう思ったのだった。
と祐巳ちゃんの優しさでもあるこのお節介ですが、もうそろそろ「妹作り」に精を出していかないと「リリアン女学園」の「山百合会」は崩壊していく事だと思います・・・
(この小説「マリア様がみてる」を読んでいて感じてきたことは一番成長したキャラは「紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)」こと小笠原祥子さまなんでしょうね。)
このままだと、彼女は「妹」が出来ないまま、祥子さまが卒業してしまうという「バッドエンド」もありかなぁ〜なんて、不謹慎なことも感じてしまいます。
(でも、そんな結末な小説なんてやっぱり嫌ですので、本当に祐巳ちゃん頑張って下さいね!!)
と「ようこそ茶話会へ」は以上です。では、ごきげんよう
「内藤姉妹の真実を写した武嶋蔦子さん」
ごきげんよう、皆さま
昨日のW杯最終予選ですが、日本V.S.バーレーン戦の試合、「1−0」で日本が勝利したようですが、「とにかくおめでとう!!」です。
(詳しいニュースは「Yahoo!ニュース」です)
W杯といえば93年の最終予選でのイラクとのロスタイムでの同点ゴールで、初の「W杯出場」の逃しましたが、その時中間テスト前だというのにも関わらずテレビを観ていて、次の日のテストはボロボロだったのが、今も覚えていますね。
では、「マリア様がみてる」です。
(今日は謎の解明でしたね!?)
- ようこそ茶話会へ
5(P.137〜154)
「そういえば、何かの都合で祐巳さんがここに来た時、これ見られたからな。・・・・・・だからか」
蔦子さまは、クラフト紙で包装された荷物を、ちょんちょんと指で触れた。
「私、全然状況が理解できていないんですが」
これ、って言われても。中身は何か知らないし。
「ああ、ごめん。私も頭の中がうまく整理できなかったものだから」
そして蔦子さまは、「これ」を笙子に差し出した。
「はい?」
「開けてみて。これが、笙子ちゃんをここに来させた原因」
「これが?」
開けてみてと言われたので、遠慮なく包装紙を留めていたテープを剥がしにかかる。中に入っている物が何なのか、気になってしかたない。
「さっき笙子ちゃんを見かけて、後で渡そうと思ってあわてて包装したから。こんな包装紙しかなかった」
蔦子さまが「ごめんね」と言うと同時に、包装はとれた。
さぁ、中身はいったい何かな!?(って、誰もがお分かりでしょうが・・・) ここの描写を見る限り、蔦子さんは笙子ちゃんが来るのを予測してなかったって事ですね? この二人の素敵な巡り合わせはやはり祐巳ちゃんのおかげですね!!
現れたのは、何と、マーブル模様の写真立てだった。それも、祐巳さまが取ってきて欲しいと言っていた特徴そのままの。
中には、すでに写真が入っていた。セピア色の、きれいな写真だ。
少女が二人。向かい合って、箱に入ったお菓子が何かを摘んでいる。見ていて、どうしてか胸が締めつけられそうになった。これを撮ったのが蔦子さまだとしたら、蔦子さまはやはり素晴らしい写真家だ。
「プレゼント」
「え?」
「だって、約束したじゃない」
そこまで言われて、笙子はやっとあることに気がついた。少女のうちの一人は、姉の克美だ。そしてもう一人は―。
「嘘。私、こんなきれいじゃない。お姉ちゃんだって、こんなにやさしい顔はしていないし」
「でも、これは笙子ちゃんでしょ?」
「・・・・・・ええ」
「間違いなく、お姉さんでしょ?」
「ええ」
笙子は、写真立てごと抱きしめた。涙が出そうになったけれど、一生懸命に堪えて笑った。だってこんなことで泣いたりしたら、蔦子さまにきっと変な子だって思われる。そんなの嫌だ。せっかく、こうしていい雰囲気でおしゃべりできたのに。
って笙子ちゃん、「泣きたい時は思いっきり泣いてもいいんだよ!!」とそばにいれば彼女に言ってあげたいですね。 「嬉し泣き」なんて滅多と無いんですからね!!
それと、蔦子さん将来はプロのカメラマンへとなって頂きたいものですね。
(例え実在しない人物といえど、そう願わずにはいられない私です・・・)
よく、「写真」という言葉は「真実を写す」といいますが、これが笙子ちゃんと蔦子さんの心の真実なんでしょうね・・・
(いつか、私も心の美しい人へ変身出来るように少しずつ努力をしていかないといけませんね。)
「ありがとうございます。この写真、生涯の家宝にします」
これで、一生分の写真運を使っちゃった気がするけれど。でも、いいんだ。この先すべてがひどい顔でも、この一枚があれば、それでいい。
の笙子ちゃんの感謝の念、きっと蔦子さんに伝わったでしょう!!
余談ですが、こうして思えば昔の「交通事故(自転車V.S.自動車)」の無傷で私の一生分の悪運を使い切ったような気もしますが・・・ でも、今もこうして生きていたおかげで「マリア様がみてる」という素晴ら(薔薇=アニメの祥子さまのギャグでしたっけ!?)しい小説に出会えた訳ですので良しとしましょう!!
この巻「妹オーディション」の重点は「由乃さんの妹選び」の他に「蔦子さんと笙子ちゃん」の心温まる触れ合いの広場を私たち読者に与えて下さった素敵な巻になりそうですね!!
というわけで明日も二人のお話になりそうです。 では、ごきげんよう。
『マリみて』はゲーム小説!?
ごきげんよう、皆さま
今日の前置きニュースは
職場のいじめ相談が増加 4日にトラブル110番
日本労働弁護団は4日に、全国23都道府県で「労働トラブル110番」を開設し、無料の電話相談を実施する。
日本労働弁護団によると、最近は職場でのいじめや嫌がらせの相談が増加しており、2割前後を占める。うつ病になる社員も多いという。同弁護団は「リストラで社員が減って業務量が増え、いらいらが募り、弱い同僚が攻撃対象になっているのではないか」と分析している。(共同通信)
「Yahoo!ニュースより」
をご覧下さればお分かりのように、年代問わず「いじめ問題」は深刻な問題へと発達しています。
(それこそ昔は「ストーカー」という言葉なんて存在しなかった時代でしたのに、いつからこんなに世の中の歯車が狂ってしまったのが、本当に疑問です・・・・・・)
と暗いニュースはこの辺にしまして、「マリア様がみてる」です。
- ようこそ茶話会へ
5(P.136〜154)
「どうして、写真部に祐巳さんの私物があるわけ? いや、ないのよ。実際、祐巳さんの物なんて。どういうこと?」
何とそれは、蔦子さまの独り言だった。
念仏の正体はお化けではありませんでしたね!? 関係のないお話ですが、「よく音楽室に張っている音楽家の肖像画のベートーベンの目が光る」という怪談話はけっこうあちこちの学校でも噂があったのではないでしょうか! でも、この作曲家は「エリーゼのために」という可愛らしい曲も作曲していらっしゃいますが…
(そういえば「子羊たちの休暇」で誰やらさんが弾いた曲でしたっけ!?)
「あの、すみません」
もしもし、と笙子は声をかけた。考え事中申し訳ないけれど、ちょっと気になる言葉を耳にしたもので。
「そもそも祐巳さんは、あの店で写真立てを買っていた? ―って、え、何? 笙子ちゃん」
「祐巳さまは、取ってきてもらいたい物とはおっしゃってましたが、私物とは言っていなかったかも」
すると、蔦子さまは「え」という口の形のまま固まった。
このあたりの光景は「チャオ ソレッラ!」を読みましょう!! 祐巳ちゃんの買ったお土産はマーブル模様のフォトアルバムとシャーペンでしたね!? (他にも何か購入していそうですが…)
「やられた」
「は?」
「祐巳さんは、私がいるって知った上で、あなたを寄越したんだわ」
「え? 誰かいるはずとは言ってらしたけれど、どなたとまでは」
「知っていたのよ。私が、部室で待機しているって言い残していったから」
「あの」
ということは、どういうことだ?
祐巳さまは、蔦子さまが部室にいると知っていた。
祐巳さまは、笙子を部室に送り込んだ。
故に、祐巳さまは、蔦子さまと笙子を会わせようとした仮説が成立する。
けれど、たとえその仮説が正しいとしても、祐巳さまがどうしてそんなことを画策しなければならないのか、という謎は残る。
その謎とは一体!?
(「いったいさん」といえばこれまたマニアックですが、任天堂屈指のアドベンチャ-ゲーム「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」で出てくる謎のおじいさんがいますが、このゲームも今回の「妹オーディション」の如く、「ザッピングシステム」(=主役視点の切り替え)が使用され、当時は新鮮でしたね・・・)
こうやって読んでみると「マリみて」という小説もゲーム感覚で読んでいける気がしてきます。 これからも、今野緒雪先生には祐巳ちゃん視点だけでなくいろんなキャラの視点を書いていって頂きたいと願っています。
(読者による「妹問題」の怒りの鬱憤は、今まで祐巳ちゃん視点で進んで来たという「罪と罰」だと私個人は思いますので・・・)
てなところで、今日はごきげんよう・・・
「おめでとうなニュース&蔦子さんと笙子ちゃん」
ごきげんよう、皆さま
まずは天気情報です。(HPは「http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/weather/?1117670493」)
「6月」といえば「梅雨の季節」でもありジメジメとして過ごしにくいですが、何とか乗り越えましょう!!
それと、おめでたいニュースが二つほど転がってきましたので報告させてもらいます。
一つ目はmarimite_readerさんのブログ「マリみてるん!: 今野緒雪先生お誕生日おめでとうございます。」通り、今日は今野緒雪先生のお誕生日ということで、おめでとうございます。
これからも「マリア様がみてる」の小説が私にとって「一生の宝物」になることなので、出来るだけ末永〜く続くことを祈っています。
もう二つ目は「マリア様がみてる」のアニメやドラマCDで先代白薔薇さまを演じられた高山みなみさんと「名探偵コナン」の原作者の青山剛昌先生が、結婚されたそうです。
(より詳しいブログとHPは「そろそろ梅雨の様相を呈してきた水無月二日 - だいちゃんの時間を見つけて書く日記」と「http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/comics_and_animation/?1117674896」です)
とにかく三人方に心から「おめでとうございます」とお祝いさせて頂きます。
では、「妹オーディション」です。
- ようこそ茶話会へ
5(P.136〜154)
「それでね」
蔦子さまは言った。
「本当は茶話会の模様も撮るって約束していたんだけれどね。キャンセルしたんだ」
「もしかして、私のせいで?」
「ただのきっかけ。最初はね、私がいない方が笙子ちゃんは楽しめるんじゃないか、って思った。でも、それは笙子ちゃん以外の接待客にもいえることだって、考え始めたのよ。だから、そうしたまでで―」
蔦子さまは、頬杖をつく。
こうして書いていくうちに思い付くのですが、蔦子さんの何気ない優しさがだんだんと惹かれていくのがわかります。
(今までは「そばに居てくれると心強いキャラなんだろうなぁ〜」というイメージしかなかったのですが、この巻で蔦子さんの魅力が一気に引き出されたような素敵な巻ですね。 こうして、主役のチェンジも楽しく読める一因でしょう!!)
「それで? どう、楽しめた?」
「はい」
「それはよかったわ。あれ、そういえば茶話会は? 終わったの?」
「いいえ。祐巳さまが私に用事を頼まれて・・・・・・」
笙子はやっと思い出した。まったく、これじゃお使いを忘れたアリさんだ。(余談ですが「♪アリさんとアリさんとごっつん」という歌詞の童謡がありましたが・・・・・・)
「祐巳さんが? 何?」
「写真立てを取ってきて欲しい、って」
「写真立て?」
明らかに「解せない」という表情で、蔦子さまは聞き返す。心当たりがないのだろうか。
「はい。マーブル模様の、イタリアで買った物だそうです」
笙子は、祐巳さまの言っていた特徴を思い出しながら、部屋をぐるりと見回した。
「でも、ないですね。すぐにわかる、っておっしゃってましたが」
さて、困った。これは本当に手ぶらで帰るはめになるかもしれない。棚や段ボール箱の中を勝手に覗かせてもらっていると、どこからかブツブツと念仏を唱えるような声が聞こえてた。
と果たして写真立ては見つかるのでしょうか!? そして、念仏を唱えている人物は!?(って、蔦子さんしかいませんって・・・)
今日はいろいろとニュースが多くて嬉しいのやら(少しながら複雑な気分も混じり合っているのかもしれませんが・・・)で、今日はこの辺にて・・・
では、ごきげんよう
「内藤笙子ちゃんと武嶋蔦子さんの感動の再会」
ごきげんよう、皆さま
今日から6月ですが(新刊の『薔薇のミルフィーユ』発売まで1ヶ月切りましたね)、6月といえば「6月の花嫁」といいますね。今月に身近に結婚なさる方がいられるならば、お花を贈り物としてみてはいかがでしょうか!?
(HPは「http://shopping.yahoo.co.jp/whatshot/flowers_and_plants/02/」です。)
この「マリア様がみてる」でも薔薇さまが活躍していらっしゃいますし・・・
という訳で、「妹オーディション」です。
- ようこそ茶話会へ
5(P.136〜154)
その人を、笙子は知っていた。
やっぱりいた。
人の気配を感じてたのか、笙子がノックをする前にその人は振り返った。
「ああ」
彼女はほほえんだ。まったく驚いていない。まるで、今日笙子とここで会うことを約束していたみたいに自然だった。
「お久しぶり。一年菊組、内藤笙子ちゃん」
武嶋蔦子さまは、約8ヶ月前には名乗らなかった笙子の苗字も、現在のクラス名も、間違いなく言い当てた。
「私のこと、いつから知ってらしたんですか」
「かなり前。四月に入ってすぐくらいかな。宝探しの時は中等部の生徒だったのね。道理で、見つけられなかったはずだわ」
「その節は、失礼しました。ばつが悪くて、なかなか蔦子さまの前に出られませんでした」
「いいえ。今日まで声をかけずにいたのはこちらも同じ。お互いさまです」
笙子ちゃんと蔦子さんとの感動の再会ですね。なぜ、笙子ちゃんのことを詳しく知っていたのか謎に包まれていますが、このまま「姉妹(スール)」へと結びつくきっかけになると良いですね。
「その後、どう? 写真撮られるの、慣れた?」
「そう簡単には慣れません」
「根深いんだっけね」
「ええ」
イラストながら笙子ちゃんは可愛らしいのに、読者の方もさぞかしヤキモキしていらっしゃることでしょうが、本人にとっては「深刻な悩み」だったりします。
「私を捜してくださったんですか」
さっき蔦子さまは、笙子のことを「見つけられなかった」と言っていた。そのことを受けて聞いた。聞かずにいられなかった。
「うん。ヴァレンタインデーの直後ね。でも、見つからなかった。そうしたら、新学期になったとたん、そこここで見かけるようになったじゃない。狐に摘まれたみたいな気持ちになったわ」
蔦子さまは笑った。
「狐に摘まれたといえば、さっきもね」
「さっき?」
「中庭で薔薇の館が開くのを待っていた、笙子ちゃんを見て」
「あ・・・・・・」
蔦子さまは、あの場にいたのだ。至近距離ではなかったのかもしれないけれど、その様子が窺えるくらいは近くに。
当時は笙子ちゃんは中等部の生徒でしたから見つからなくて当然なのですが、蔦子さんって本当にいい人ですね・・・ 笙子ちゃんをちゃんと見ていてあげていて、優しさに溢れているそんな感じがします。 今まででも、聡明で頼りのあるキャラとして活躍していた蔦子さんですが、笙子ちゃんと一緒にいる時の蔦子さんは、その何倍も何十倍もの輝きを見せてくれる女の子ですね・・・・・・
これで、この二人が「姉妹」になるのはおそらく「時間の問題」でしょうが、続きは明日にて・・・
では、ごきげんよう
「福沢祐巳ちゃん、仲介役になる」
ごきげんよう、皆さま
悲しいニュースですが、相撲の大ブームを起こした「若貴兄弟」の父でもあり、師匠でもあった「二子山親方」が、30日永眠いたしました。 (HPやブログは「http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/sports/sumo/?1117497022」と「http://d.hatena.ne.jp/nagacyan/20050530」です。)
私自身、相撲には興味はあまりありませんが、「若貴ブーム」時にはちょくちょくと観ていましたし、この「二子山親方」の小さい体ながらも、力強い相撲を取る姿は何度かテレビで観た事があります。
なので、とても残念に思っています。ご冥福をお祈り申し上げます。
(余談ですが、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に「若貴兄弟」の漫画が連載されていましたが。 それを読んで相撲に少しながらも興味を持つようになったのですが・・・)
気分を入れ替えて「マリア様がみてる」です。
- ようこそ茶話会へ
5(P.136〜154)
笙子ちゃん視点です。
「実は、お使いを頼みたいの。薔薇の館の外なんだけれど」
「お使い? いいですよ。どこですか?」
祐巳さまは主催者の一人でもあるから、気軽に館を出られないのだろう。笙子はそう判断して請け負った。自分でよければ、お手伝いしましょう、と。
「助かるわ。場所はクラブハウスなの。写真部の部室に行って、取ってきてもらいたいものがあって」
「写真部?」
その単語は、笙子の心臓を飛び上がらせそうになった。
何やら祐巳ちゃん、笙子ちゃんにお手伝いを頼み始めましたよ。 どうやら蔦子さんと仲介役になりそうですね!?
(「人のお世話を焼いている場合ではないでしょ!!」とも思いますが、でもこれが彼女の最大の良さですので、やっぱり祐巳ちゃんも憎みきれません・・・)
「でも、私。部外者ですし」
懸命に断る口実をさがしたが、とっさにうまい言い訳は出てこないものだ。
「大丈夫。クラブハウスの建物に入ったら、二階に上がるでしょ。写真部の部室を見つけたら、ドアをノック。たぶん中に誰かいるはずだから、その人に私に頼まれたことを言えば入れてもらえる。ね、簡単でしょ?」
「は、はあ」
一度行くと言った手前、嫌だとは言えない。それに嫌だと言えば、その理由も話さなければならない。
仕方ない。笙子は、腹をくくった。
嫌なわけではないのだ。ただ、もしそこにあの人がいたら、と考えると逃げ出したくなるだけで。薔薇の館に入る前、もしかしたらここで再会するのではないか、と一度は心の準備をしてきたはずなのに。
「わかりました。何を取ってくればいいんですか」
「写真立て。修学旅行で買った物よ。マーブル模様だから、見ればすぐわかるわ」(お分かりでしょうが「チャオ ソレッラ!」の蔦子さんが誰かのために親身になって選んだお土産でしょうが、この伏線がもうすぐ解明されつつあります)
これを機に蔦子さんと笙子ちゃんの「姉妹化」を祈ると同時に、「笙子ちゃんも『写真部』へと入部して頂けたらなぁ〜」と願わずにはいられなくなってきましたよ。
「そうね。三時半までに持ってきてくれたらいいから」
祐巳さまは、腕時計と見て言った。
「三時半? あと三十分以上ありますけれど」
笙子は、だんだん不安になってきた。
「本当に、すぐわかるものなんですか」
疑いたくはないが、そんなに時間がかかるとしたら、相当見つかりにくい場所」にあるのでは、と思うのは仕方ないだろう。
「時間になっても見つからなかったら、帰ってきていいよ」
じゃあ、行ってらっしゃい、と肩を押され、笙子は階段を下りていった。疑問点はいろいろ残っているが、とにかく行ってみないことには。
階段が何か言いたげに、ギッシギッシと音を立てた。
三十分以上もの、一体何をさせるのでしょうか!? 「写真立て」を「お宝探し」ゲーム風にして笙子ちゃんに探し当てるお遊びを蔦子さんが計画させているのでしょうか?
(と勝手に憶測ストーリーを立ててもらっていますが果たして・・・)
とにかく、階段さんも笙子ちゃんに「がんばれ!!」と呼び掛けているのかも知れませんね。
と今日はこの辺にて・・・ では、ごきげんよう。
「ようこそ茶話会へ」の笙子ちゃんと祐巳ちゃん
ごきげんよう、皆さま
今日の前置きは「浜田省吾特集」のHPを見つけましたのでリンクを張っておきます。
(HPは「http://hamadashogo.yahoo.co.jp/」です。
このアーティストといえば鈴木保奈美さん主演のテレビドラマ「愛という名のもとに」(1992年放映)の主題歌で有名な「悲しみは雪のように」も歌っておられ、私もとても好きな歌でもあります。
(私はアーティストや売り上げ云々に関わらず、曲が気に入れば好きになってしまう訳ですが・・・ でも、この年代の音楽業界はバブルでしたよ!!)
では、いつもの「マリア様がみてる」です。
- ようこそ茶話会へ
4(P.128〜136)
『バラエティギフト』の「ショコラとポートレート」&tokagetさまのブログ「ショコラとポートレート - Peaceful Silence」をお読み頂いて、
「すごく生き生きして、楽しそうで。ああ、いいな、って。それが、『リリアンかわら版』を頼りに想像するしかなかった山百合会の方々を、生身の人間として意識した最初でした」
生き生き。者は言いようだ。笙子ちゃんは続けた。
「高等部に入学してからは、事あるごとに注目していました。驚きと感動に包まれた新入生歓迎会は、今でも忘れられません。体育祭では、薔薇さまとかつぼみ(ブゥトン)とか関係ない一生徒であるはずなのに、山百合会の幹部の方たちはなぜかいつでも、みんなの目を引いていました。」
「・・・・・・」
何て相づちを打ったものだろうか。しかし何を言ったところで、堰を切ったように胸の内を語る笙子ちゃんの勢いを止められそうもなかった。
「そして、学園祭。劇も素晴らしかった。でも、一番うらやましかったのは、写真部の展示場に飾られたパネルの中でキラキラ輝いている皆さんでした」
「写真部のパネル?」
「私は、あの中に入りたいと心から思ったんです。どうしたら入れるか、ずっと考えていました。そんな時に、この茶話会の企画を知って」
ああ、そうか。やっとわかった。
「だから、私でも由乃さんでもよかったのね」
笙子ちゃんが、何を望んでいるのか。
それを叶えるために、本当に必要なのは誰の力なのか。
やっと、笙子ちゃんが「祐巳ちゃんの妹でも由乃さんの妹でも良い」という理由が分かりましたね。 この子も「山百合会の一員になりたい」と思っていて、それを誰かに見て欲しいと願っているのでしょうね。 それには誰の力が必要のなのかも・・・
そして次の祐巳ちゃんのセリフ
「山百合会の中心にいなければ、生き生きできないわけじゃないんだよ。中心にいるからといって、それだけで生き生きできるともかぎらないし」
「生徒会の仕事の中にだけ、楽しいことがあるなんて、そんなことはない。どこにいたって、何をしたって、輝いている人はたくさんいるんだよ。だから笙子ちゃんがただ写真の中で輝きたいと願うなら、別に、つぼみ(ブゥトン)の妹になんてならなくたっていいんじゃないのかな」
は本当に良いことを言っていますね!! 「マリア様がみてる」という小説は誰もが主役になれるという素晴らしい小説ですから、読む人によって本当にその人の気持ちに感情移入していけるという、本当に珍しい作品だと思います。
ですが、
「私は、私の妹になりたいと心から思ってくれる人を妹に選びたい。笙子ちゃんにも、かけがえのないないお姉さまを見つけて欲しいと思う」
と笙子ちゃんを思って「妹」に選ばなかったというのは分かりますが、祐巳ちゃんの「妹作り」は彼女からは全然積極的に動かないですね!? やはり、祐巳ちゃんからも声を掛けるなりして行かなければ、いつまで経っても「妹」はできないと思います。
祐巳は右手を出した。笙子ちゃんも、それに応えて右手を出した。
「言っていただいて、すっきりしました」
ギュッ。固く握手を交わす。何の握手かって問われても、うまく説明できない。けれど、その時二人は心がつながったことがうれしくて、そのことを相手に伝えたかったのだと思う。
「つぼみ(ブゥトン)狙いでしたが、変更することにします」
そう言って笙子ちゃんは、祐巳の側から離れていった。お姉さまを見つけるつもりかどうかはわからないけれど、二年生にも一年生にも積極的に話しかけて、茶話会を楽しんでいるようだった。
今、ここに蔦子さんがいたら。学園祭で展示されたパネル写真に負けないほど、いい顔が残せただろうに―。ゆみは、少しだけ残念に思った。
と、笙子ちゃんと祐巳ちゃんの親睦を深めたという握手が交わされ、これで二人は「友達」になれましたね。
笙子ちゃんは後の茶話会も十二分に楽しもうと積極的になっていっていますし、彼女を幸せにできる人は武嶋蔦子さんしかいないと思います。
で、祐巳ちゃんも人の心配をしている場合でなく、本当にそろそろ「妹」を作ることに専念していきましょうね!!
ほとんどの読者の方が怒りの頂点に達していることでしょうから・・・・・・
で、4(P.129〜136)は以上です。 では、ごきげんよう
P.S.「隠し撮り」は違法かもしれませんが、蔦子さん、どこか隠れながらも今の笙子ちゃんの写真を可愛く映してあげていて欲しいです。 笙子ちゃんが喜んでくれるなら、時には「悪い事」も必要だと思います。
(度が過ぎると罰せられるでしょうが・・・)