「内藤笙子ちゃんと武嶋蔦子さんの感動の再会」
ごきげんよう、皆さま
今日から6月ですが(新刊の『薔薇のミルフィーユ』発売まで1ヶ月切りましたね)、6月といえば「6月の花嫁」といいますね。今月に身近に結婚なさる方がいられるならば、お花を贈り物としてみてはいかがでしょうか!?
(HPは「http://shopping.yahoo.co.jp/whatshot/flowers_and_plants/02/」です。)
この「マリア様がみてる」でも薔薇さまが活躍していらっしゃいますし・・・
という訳で、「妹オーディション」です。
- ようこそ茶話会へ
5(P.136〜154)
その人を、笙子は知っていた。
やっぱりいた。
人の気配を感じてたのか、笙子がノックをする前にその人は振り返った。
「ああ」
彼女はほほえんだ。まったく驚いていない。まるで、今日笙子とここで会うことを約束していたみたいに自然だった。
「お久しぶり。一年菊組、内藤笙子ちゃん」
武嶋蔦子さまは、約8ヶ月前には名乗らなかった笙子の苗字も、現在のクラス名も、間違いなく言い当てた。
「私のこと、いつから知ってらしたんですか」
「かなり前。四月に入ってすぐくらいかな。宝探しの時は中等部の生徒だったのね。道理で、見つけられなかったはずだわ」
「その節は、失礼しました。ばつが悪くて、なかなか蔦子さまの前に出られませんでした」
「いいえ。今日まで声をかけずにいたのはこちらも同じ。お互いさまです」
笙子ちゃんと蔦子さんとの感動の再会ですね。なぜ、笙子ちゃんのことを詳しく知っていたのか謎に包まれていますが、このまま「姉妹(スール)」へと結びつくきっかけになると良いですね。
「その後、どう? 写真撮られるの、慣れた?」
「そう簡単には慣れません」
「根深いんだっけね」
「ええ」
イラストながら笙子ちゃんは可愛らしいのに、読者の方もさぞかしヤキモキしていらっしゃることでしょうが、本人にとっては「深刻な悩み」だったりします。
「私を捜してくださったんですか」
さっき蔦子さまは、笙子のことを「見つけられなかった」と言っていた。そのことを受けて聞いた。聞かずにいられなかった。
「うん。ヴァレンタインデーの直後ね。でも、見つからなかった。そうしたら、新学期になったとたん、そこここで見かけるようになったじゃない。狐に摘まれたみたいな気持ちになったわ」
蔦子さまは笑った。
「狐に摘まれたといえば、さっきもね」
「さっき?」
「中庭で薔薇の館が開くのを待っていた、笙子ちゃんを見て」
「あ・・・・・・」
蔦子さまは、あの場にいたのだ。至近距離ではなかったのかもしれないけれど、その様子が窺えるくらいは近くに。
当時は笙子ちゃんは中等部の生徒でしたから見つからなくて当然なのですが、蔦子さんって本当にいい人ですね・・・ 笙子ちゃんをちゃんと見ていてあげていて、優しさに溢れているそんな感じがします。 今まででも、聡明で頼りのあるキャラとして活躍していた蔦子さんですが、笙子ちゃんと一緒にいる時の蔦子さんは、その何倍も何十倍もの輝きを見せてくれる女の子ですね・・・・・・
これで、この二人が「姉妹」になるのはおそらく「時間の問題」でしょうが、続きは明日にて・・・
では、ごきげんよう