「マリア様の星に住む人々」

ごきげんよう、皆さま
 ネットのニュースによると、任天堂次世代機・コードネーム“Revolution”」が2006年発売予定とのことです。(詳しいHPは「http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/revolution/?1116372410」)
 ソニー・コンピュータエンタテインメントからも2006年にプレイステーション3」がまたしても2006年春に発売予定とあり(HPは「次世代コンピュータエンタテインメント・システムを2006年春発売予定~Cellをはじめとする最先端技術を搭載し、「プレイステーション」「プレイステーション 2」との互換性を実現~ | プレイステーション® オフィシャルサイト」)、次世代機のシェアはどちらに軍配が上がるのか、私自身興味がありますね。

 と前置きはこの辺にしまして、マリア様がみてるです。マリア様がみてる 20 妹(スール)オーディション (コバルト文庫)

  • マリア様の星

       6(P.99〜106)

 「薔薇の館ではない方がいいわね」
 紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)の提案を聞いて、乃梨子「たぶん、祐巳さまと関係がある話なんだな」と思った。
 歩き始めた紅薔薇さまは、一度立ち止まって振り返った。
 乃梨子ちゃんも一緒にいらっしゃい」
 「は?」

 乃梨子はもちろんビックリしたが、瞳子「どうして?」という顔をしていた。確か、紅薔薇さまが用があったのは、瞳子だけだったはずだから。
 瞳子ちゃんのナイトじゃないの?」 
 まだそれを引きずっていたとは。しかし、それを言うということは―。
 紅薔薇さまは、瞳子をどうにかしようとお考えなんですか」
 紅薔薇さまはフッと笑った。
 「言ったでしょ。聞きたいことがあるだけだ、って」
 その笑いがくせ者だ。ナイト役であるかどうかはともかく、乃梨子はやはりついていくことにした。

と、瞳子ちゃんを立ち直らせるには乃梨子ちゃんの力も必要なのよ!!」紅薔薇さまこと小笠原祥子さまは感じていらっしゃることなのでしょう。
 一対一で話すよりも、その中に頼もしい親友がいてくれた方が良いことだって時にはありますからね。 (「三角関係」は必ずしも悪いとは限らないってことですね。) 
てな訳で、これにて乃梨子ちゃんは瞳子ちゃんのナイト役に決定!!しました。

 「どうして茶話会に応募しないの?」
 歩き始めてすぐ、紅薔薇さま瞳子に尋ねた。
 「どうして、ですって? 応募することにならともかく、応募しないことに理由なんてあるんですか」
 「あなたにはありそう」
 「誤解がないように言っておくけれど。私は、祐巳の妹が誰になろうと構わないの。特にあなたがいいと思っていない」
 「では、なぜ私に茶話会に応募するようけしかけにいらしたんです」
 「応募しろとは言っていないわよ。応募しない理由を聞いているだけ」
 「どうしてそんなことを聞きたいのか、こちらの方が聞きたいです。聞いてどうするんです」
 「どうもしないわ。私、最近のあなたを見ていると、イライラするの。納得できる理由を提示してもらって、すっきりしたいだけだわ」
 「もちろん、あなたには迷惑な話でしょうけれど。単なる自己満足につき合わされるわけだから」
 「瞳子ちゃんを見ていると、以前の私を見ているようで辛いのよ。素直に生きるのはとても勇気がいることだけれど、その分得る物も多いのよ」

 瞳子は何も言わなかった。うつむきがちに無表情で黙っているから、聞いているのか聞いていないのかわからない。だが、きっとちゃんと聞いているはずだ。
 「私が言いたかったのは、それだけ。時間とらせたわね」
 まだ廊下の途中だったが、もうここまででいい、というように手で合図して、紅薔薇さまは二人を残して去っていった。

 祥子さまと瞳子ちゃんの会話ですが、祥子さまって大変ですよね、祐巳ちゃんだけでなく、瞳子ちゃんのお守りまでしています者なので、これではいつまで経っても卒業できないかもしれませんね!! 祐巳ちゃんと瞳子ちゃんが成長するまで・・・ 
 (本当に瞳子ちゃんは弱々しくなっていて、この子は他人事のようには思えなくて、私も祥子さまに叱られている気分です。)
 それにしましても、祥子さまは祥子さまで大人の女性の様に立派に成長していますね。前紅薔薇さまこと水野蓉子さまや我らがおなじみの福沢祐巳ちゃんと触れ合うことで、祥子さまも、ずいぶんと素晴らしい女性ですね。 (少しずつでも見習っていかないと・・・)

 紅薔薇さまはたぶん、筋違いだって重々承知した上で言ってくれてるんだよ」
 乃梨子は、瞳子に言った。紅薔薇さまをフォローするというより、むしろ瞳子のための言葉だ。
 「でも私、瞳子が自分で『もういいや』って思うまでひねくれていればいいと思う」
 誰かに言われるままに行動するなんてこと、瞳子がするわけない。心が決まれば、誰に何を言われようとも真っ直ぐ突き進むはずなのだ。

 乃梨子ちゃんでも気付かないのですが、瞳子ちゃんは祐巳ちゃんに依存していますので、瞳子ちゃん自身も自分の意志が無くなっているのでしょう!!

 「だから、私も大きなお世話をしようと思っていたけれど、やめるね」
 乃梨子は、ポケットから「一年椿組 松平瞳子と書いた応募用紙を出して、ビリビリと破いた。今日の放課後、茶話会の応募受付締め切りまでに瞳子が薔薇の館に現れなかった時のことを予想して、一応準備していた。実際に出すかどうかはともかく、保険のつもりで記入しておいたものだ。
 「それ・・・・・・」
 瞳子が、久々に口を開いた。
 「もうゴミ捨て済んじゃったから、ちゃんと家に帰ってから捨てるわよ」
 乃梨子はビリビリにした紙くずを丸めて、再びポケットに収めた。
 乃梨子さん」
 「さ。一旦、教室戻ろうか」

 今はまだ何も起こらないかもしれないけれど。(ってすでに起こっていますよ。乃梨子ちゃん。 「いじめ」という嫌な三文字が・・・)
 紅薔薇さまが投げた小石が、いつか瞳子の心に波紋を広げ、自ら動くきっかけになったらいい。
 そう思わずにはいられない、乃梨子だった。

 もう、完全に乃梨子ちゃんに見捨てられていますね、瞳子ちゃんは・・・。 こうなれば、瞳子ちゃんを救うにはもう可南子ちゃんしかいないと私はそう信じたいですね。
 このマリア様がみてるマリア様がみてる 1 (コバルト文庫)の世界は「誰も不幸になる人はいない」と私だけでなく、たくさんの読者がそう信じていらっしゃることでしょうから、きっと大丈夫だと願っています。
 
 と、「マリア様の星」はこれにて終了します。

 では、ごきげんよう・・・