瞳子ちゃんの一人称の使い分け
ごきげんよう、皆さま
いつもの前置きコーナーですが「ファイナルファンタジーⅦ アドベントチルドレン」の発売日が決定しました。
2005年9月14日で価格は4,800円[税込]です。(詳しくはファミ通HPの「『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』の発売日が決定! - ファミ通.com」で拝見の方、よろしくお願いします)
それと「マリア様がみてる」の新刊情報も入ってきました。
西尾西男さまのブログ「マリみて新刊は7月発売 - ぬるヲタが斬る -」によると、7月辺りになるとのことです。 私自身、今から本当にワクワクして来ましたよ!!
では「妹オーディション」です。
- マリア様の星
6(P.99〜106)
二条乃梨子ちゃんのご登場〜!!
一年椿組に、紅薔薇(ロサ・キネンシス)さまがやって来た。
「掃除は済んで? 瞳子ちゃんを読んでちょうだい」
その時、取り次ぎに出た(というより、怖じ気づいたクラスメイトに取り次ぎを押しつけられた)乃梨子は、珍しく軽いパニックをおこしてしまい、「いったい、何のご用でしょう」なんて余計なことを聞いてしまった。
「今日の乃梨子ちゃんは、まるで瞳子ちゃんのナイトのようね」
「すみません」
まるで、今まさに悪戯しようとしていた時に母親と鉢合わせしたみたいな気分だ。乃梨子はスカートのプリーツを手の平でそっと押さえて、股の辺りにあるポケットの入り口を隠した。ナイトなんて、とんでもないことである。
と乃梨子ちゃんはナイトにも変身してしまうという、小説ならではの醍醐味さを味わえますね!!
「瞳子」
乃梨子は、ピンと背筋の伸びた後ろ姿を呼び止めた。
「紅薔薇さまは、あなたに会いにいらしたのよ」
「私に?」
ゆっくりと振り返って、瞳子は言った。
「いったい、何のご用でしょう」
乃梨子がさっき言ったのと寸分違わぬ言葉が返ってきたのがおかしかったのか、紅薔薇さまは軽く笑った。
の「いったい、何のご用でしょう」のセリフはアニメの最終回の瞳子ちゃんも(「マリア様がみてる~春~ 6 [DVD]」より)使っていましたね。 (だからといって特に意味はありませんが・・・)
「一つ聞きたいことがあって。すぐ済むわ」
「そうですか」
ではお聞きしましょう、とでも言うように、瞳子は顔の角度をほんの少しだけ変えて待っている。取り次ぎが済んだ段階で場を外すべき第三者の乃梨子であったが、見るに見かねてつい口を挟んでしまった。
「あの。ここでは何ですから、場所を変えられては」
いくら何でも、掃除直後の教室の出入り口は人通りが多すぎる。
「そうね」
紅薔薇さまはうなずいたが、瞳子はツンとすまして言った。
「私は構いません。どうぞおっしゃってください」
瞳子ちゃんの一人称の「私」と「瞳子」は演技しすぎて、彼女自身使い分けが出来なくなってしまっていますね・・・ (「イン ライブラリー」の瞳子ちゃんも、祐巳ちゃんの前で「私」と「瞳子」の使い分けが出来なくなっていましたよね!? あれは、家と学校の区別が出来ないからだと思います。 おそらく、瞳子ちゃんも内弁慶だと思いますので・・・)
聞いている乃梨子の方がハラハラする。すると、紅薔薇さまが苦笑した。
「・・・・・・・私も構わないけれど。でも、瞳子ちゃん。話の内容を聞く前に、よくそんなこと言えるわね。それとも、何を言われるか想像がついているのかしら」
「瞳子」
ここは譲れ。乃梨子は、目に力を入れて必死で合図した。紅薔薇さまの言う通りだ。どんな話か知りもしないで軽はずみな判断をして、痛い目に遭うとすれば瞳子自身なのだ。
「瞳子ちゃん。友達のアドバイスは聞いておくものよ」
その言葉に、瞳子は答えずにいた。が、それが渋々とはいえ合意の意思表示であることは、明白だった。
瞳子ちゃんも親友の乃梨子ちゃんですら、なかなか「SOS」=「助けて下さい」を出せないでいるんですね・・・ このままでは、彼女自身どんどん自分を苦しめる結果になることでしょう。 私は黙って見ているだけでしか出来ませんからね。
と、「マリア様がみてる」という小説は時にはシリアス&ハードな展開も読まなければいけないという、私にとっては苦痛でも他でもありませんが、やはりこの小説を手に取った以上、何とか付いていきたいと思っています。
(日記はどこまで続くかはわかりませんが、読者としては最後まで読んでいきたいと思います)
と、最後の方は重苦しくなってきましたので、今日はこの辺にて・・・ では、ごきげんよう