並木道での乃梨子ちゃんと志摩子さんの優しさ

 とりあえずは、ごきげんよう
 「タイムマシーン」で今日へと帰ってきましたが、今日は「アイスクリームの日」(HPは「日本アイスクリーム協会」です)です。
 お店の「サーティワンアイスクリーム」では、本日ユニセフ募金」をしていただいた方に「レギュラーシングルコーン」をプレゼントされるそうですので、アイスクリームが大好物な方は是非行かれてみてはいかがでしょうか!?
 (詳しいHPは「http://www.31ice.co.jp/brj/htm/fm01.htm」です)

では、今日の日記です。 (「妹オーディションマリア様がみてる 20 妹(スール)オーディション (コバルト文庫))

  • マリア様の星

       3(P.75〜82)

 瞳子がいろいろ言われているのは、……たぶんあれは、みんなの嫉妬から生まれたものだと思うの」
 乃梨子は、自分なりの考えを言った。
 「そう」
 志摩子さんは、ほほえみながら静かにうなずく。二人は手をつないだまま、ゆっくりと並木道を歩いた。前の一団の姿が、また見え始めた。
 祐巳さま、人気があるから」
 知的で見目麗しいというイメージ先行の薔薇のファミリーの中にあって、親しみやすい庶民派のお姉さまである祐巳さまは一年生たちのアイドルだった。乃梨子も庶民派では負けていないつもりでいるが、如何せん親しみやすさが伴わない。貫禄をとってみても、祐巳さまにはまったく適わないし。

瞳子ちゃんは「学園祭デート」で嫉妬を買っている原因を作ってしまいましたからね…
 (「親しみやすい」という点は本当に祐巳ちゃんらしくて本当に私も好きなのですが、乃梨子ちゃんも「仏像」といった風変わりですが、面白い趣味を持っていますし、乃梨子ちゃんも堂々と胸を張っていても良いですよ!!)

「誰が言い始めたのかわからないけれど、瞳子祐巳さまの妹候補ナンバーワンってことになっていて」
 「妹候補のナンバーワン?」
 「以前、薔薇の館に手伝いにきていたからだと思うけれど」

 みんなのアイドルだった人が、ただ一人の人のお姉さまになるかもしれない。いつかそんな日が来るだろうと漠然と覚悟していても、いざ具体的になると認めたくない、たぶんそんな風なんだろうな、と想像はつく。

って、これはやっぱり瞳子ちゃんが初対面時に上級生である祐巳さまを馬鹿にしたツケが今になって返ってきているんでしょうね…
 (「チェリ−ブロッサム」マリア様がみてる 9 チェリーブロッサム (コバルト文庫)「だって、祥子お姉さま。おっかしいのだもの、その方」というセリフによってほとんどの読者の方は頭に来たことでしょう!! でも、またしても疑問に感じた事ですが、この場にいた生徒は確か「祐巳ちゃんと祥子さま、由乃さんと瞳子ちゃん」を含めて計4人なはずですが、一般の生徒にも知れ渡っているのは何だかおかしいですね。
 まさに「風のウワサ」によって、全校生徒によって知れ渡ってしまったのでしょうか?)
 

 「でも瞳子の場合、素直に応援しづらい過去の言動が、あるにはあるから」   「過去の言動?」
 「梅雨の時期、紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)と祐巳さまがけんかっていうか、少し疎遠になった時期があったでしょう? あの原因を作ったのが瞳子だって、みんな言っている」

 紅薔薇さまがお休みしていた日の昼休み、ミルクホールで二人が言い争いをしているのを大勢の生徒が見ていた。その後、祐巳さまの機転で瞳子を手伝いとして薔薇の館に引っ張り込んだことで、その噂はうやむやのうちにフェイドアウトしたのだが。

はやはり、パラソルをさしてマリア様がみてる 11 パラソルをさして (コバルト文庫)瞳子ちゃんの言動でしょうが、祥子さまが大変な時期でしたから、瞳子ちゃんの精神状態も不安定だったと思いますよ・・・
 (本当に瞳子ちゃんに聞いてみたいのですが、「祥子さまと祐巳ちゃんの遊園地デートの約束は知っていたの!?」と。)

 「大きなお世話なんだけれど。人気者の祐巳さまの妹に、敵対していた瞳子が納まるのってみんなは面白くないんじゃないかな。瞳子にしても、あんなことがあったんだから、紅薔薇さま目当てで祐巳さまに近づいたんだって思われても仕方ないし」
 「それじゃ乃梨子は、瞳子ちゃんが祥子さま目当てに祐巳さんの妹になるとは、思っていないのね」

 乃梨子はコクリとうなずいた。瞳子紅薔薇さまに憧れてはいるけれど、そんなことは絶対にしない。

と以前の日記通り、

「レイニーブルー」の瞳子ちゃんと祥子さま - 『マリア様がみてる』アレンジ日記

と私も瞳子ちゃんと祥子さまは本当に仲が良いのかな!?」と思っていますので、これは乃梨子ちゃんの考え通りだと思います。

 クラスメイトたちも不気味だけれど、瞳子もかなり不気味だ。
 悪気もなく、陰でいろいろ囁きあう人たち。
 気にしているくせに、平気な顔をしている一人の友。
 そして何とかしたくて、でも空回りしている自分。
 全部ひっくるめて、嫌な感じ。けれど一年椿組は、表面的にはまったく問題なく機能しているのだった。
 もしかしたら自分の感じ方がおかしいだけなのだろうか、と乃梨子は思った。
 本当は何もかも正常なのに、自分の目に異常があって世界が歪んで見える。もしかしたら、そういうことだってあるかもしれない。

と実際のいじめ問題も担任の先生が目の見えない場所で行われることが多い(集団リンチetc)ので、瞳子ちゃんのクラスメイトからのいじめも誰にも気付いてもらえないのでしょうね・・・
 (世の中から「いじめ問題」を解決する方法はおそらく「無い」でしょうが、自分の得意科目や特技や趣味を自分の宝物にして堂々と胸にして生きていける時代に変えていきたいですね。)

 祐巳さまは、瞳子じゃなくてもいいと思う」
 ふと、乃梨子は立ち止まった。志摩子さんも足を止める。
 「でも、瞳子は」
 そこまで言って、頬の上を熱い物が落ちていったことに気づいた。
 「あれ? どうして涙が出てきちゃったんだろう」
 手であわてて拭うと、志摩子さんが自分のハンカチを出して、乃梨子の瞼の下をそっと押さえてくれた。そして、顔を覗き込んでほほえむ。
 乃梨子は、瞳子ちゃんが好きなのね?」
 「うん。たぶん」

 その指摘は、意外なほどすんなりと認められた。
 「私は瞳子が好きだから、きっと涙がでちゃうんだ」
 今が夕暮れで、辺りが薄暗くてよかった。みんなから離れていてよかった。そう、乃梨子は思った。
 瞳子のことを、祐巳さまに気づかれはいけない。
 乃梨子は、志摩子さんの手をぎゅっと握った。
 そして、みんなに涙の跡を見られないよう、バスを一台見送ることにした。

の場面は私の感想でこの風景を汚したくないので省かせてもらいますが、私の意見は瞳子ちゃんの姉はそんなに祐巳ちゃんにはこだわらないといいますか、祐巳ちゃんに一言言わせていただきます。
「このまま妹を作れないのならば、先の人生も一人で生きていきましょうね!!」
 と、せっかくの感動の名場面を台無しにしてしまう日記ですが、今日はこの辺にて・・・
では、ごきげんよう
 (でも、瞳子ちゃんも幸せ者だと思いますよ・・・ 心配してくれる友達や先輩がこんなにもいらっしゃるのですからね!!)

 P.S.二日分の日記を一気に書くと本当に疲れますね。